この企画、ざっくり言うと
この記事は、AIに株を選ばせて市場に勝てるのかを1年かけて検証する企画です。
・テーマ:ChatGPTが選ぶ銘柄は市場に勝てるのかを、ルール固定で1年間検証
・期間:2026年1月〜12月、毎月1回運用
・やり方:月初に原則3銘柄を買い、途中で売らず月末に一括売り
・条件:新NISA(成長投資枠)+SBI証券+S株(単元未満株)中心
・記録:毎月「選定理由→運用→損益→振り返り」を公開し、年末に総決算
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4週目の一行
ChatGPTが選んだ「銀行・郵政・通信」という地味な3枚が、決算ウィークの直後に、それぞれの理由で同時に上昇した週でした。
日経平均が一週間のうちに千円単位で上下する乱高下のなか、AIのポートフォリオは静かに、しかし力強く伸びました。
3月に大きく外したChatGPTが、5月は「派手さよりも、決算で説明できる銘柄」を引き当てた格好です。
AIの通知表
5月第4週時点の数字を、まずは結論から並べます。
・4週の損益(5月第3週→第4週):+2,203円(評価額 57,687円 → 59,890円)(確実)
・5月の月間損益:+4,828円(+8.8%)(確実)
・1月〜5月第4週の累計損益:+2,213円前後(累計利益率 約+1.0%)(確実)
・のべ投資額:227,177円(確実)
・現在の評価額:59,890円(確実)
5月の +8.8% は、これまでの月間成績で最も高い数字です。3月(-9.4%)と4月(-1.3%)で累計が -2,615円まで沈んでいた状態から、5月の1か月だけでプラス圏に押し戻した形になります。
勝敗は3勝2敗、勝率60%です。

日経平均との比較も見ておきます。
5月のスタート地点(GW明け5月4日週の起点)は59,513円付近、5月22日の終値は63,339円でした。illogs(2026年5月4日週 市場予想)、株探ニュース(2026/5/22)
ここから単純計算すると、5月の日経平均は月初比で約 +6.4%(要確認)。AIポートフォリオの +8.8%(確実)は、日経平均をやや上回るペースで伸びていることになります。
「要確認」としているのは、5月初日の正確な終値ベースで計算したわけではなく、第1週の起点を使った概算だからです。月末値が出れば、来週以降に正確な比較に置き換えます。
ChatGPTは正しかったか
この企画のメインです。ChatGPTが「なぜこの銘柄を選んだか」と「実際に何が起きたか」を並べて、読みと現実のズレを見ていきます。
なお、5月にChatGPTがこの3銘柄を選んだ「明示の選定理由」は、今回提示されたデータには含まれていません(提示データからは不明)。
ここでは、編集側のレポートにあった「大型株・流動性の高い銘柄」「比較的堅い銘柄構成」「安定枠」という表現を、ChatGPTの読みの輪郭として扱います。

3銘柄を1つずつ並べます。
【日本郵政(6178)】
ChatGPTの読み:大型・配当・銀行と保険を抱える安定型、として組み込まれたと見られます(推測/明示の選定理由は不明)。
実際の動き:5月単月で +16.7%、利益貢献度 約56.6%(確実)。
背景にあった材料:日本郵政は5月15日に2025年度本決算を発表(確実、みんかぶ 6178)。決算後の5月21日に年初来高値2,154.5円を更新しました(確実、日経 6178)。
検証:「堅い銘柄」として組み込まれた可能性が高い銘柄が、決算を契機に年初来高値まで買われたという、読みより上振れた結果でした。
【三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)】
ChatGPTの読み:大型銀行・配当・金利上昇局面の本命格として組み込まれた可能性があります(推測/明示の選定理由は不明)。
実際の動き:5月単月で +10.4%、利益貢献度 約36.2%(確実)。
背景にあった材料:5月15日大引け後に2026年3月期の決算を発表。連結最終利益は前期比30.3%増の2兆4272億円で、従来予想を上回って着地しました(確実、株探ニュース 三菱UFJ決算)。年間配当も74円→86円に増額、今期は96円への増配方針を示しています(確実)。さらに5月20日には年初来高値3,170円を更新しました(確実、日経 8306)。
検証:好決算と増配、加えて長期金利の上昇という追い風が重なった週でした。読みと実際の動きが、わかりやすく一致した銘柄です。
【ソフトバンク(9434)】
ChatGPTの読み:高配当・通信の安定枠として組み込まれた可能性があります(推測/明示の選定理由は不明)。
実際の動き:5月単月で +1.6%、利益貢献度 約7.3%(確実)。
背景にあった材料:5月11日に2026年3月期決算を発表。売上高7兆387億円、純利益5,508億円で過去最高益を更新しました(確実、Yahoo!ファイナンス 9434 決算)。5月22日終値は224.0円(確実、Investing.com 9434)。
検証:決算は良かったものの、株価の反応は限定的でした。ChatGPTが期待したのが「大幅な値上がり」ではなく「ブレを抑える役割」だったとすれば、読みとほぼ一致しています。
3銘柄を並べてみると、共通点が浮かびます。
3社とも、5月中に決算を出した銘柄で、3社とも、その決算が市場の予想を裏切らないレベルで強かった、という点です。読みが正しかったというより、読みの土台になっているはずの「業績」が、実際に数字として出てきた週でした。
市場は何を考えていたか
5月第4週の日経平均は、かなり乱暴な動きでした。
・5月15日(金):1,244円安の61,409円(確実、マネイロ(5/18-22週見通し))
・5月18日(月):593円安の60,815円、3日続落(確実、株探マーケット日報 5/18)
・5月22日(金):1,654円高の63,339円で最高値をわずかに更新(確実、株探マーケット日報 5/22)
週前半は、米長期金利の上昇と中東情勢(イラン関連)への警戒で、AI・半導体株を中心に売られる地合いでした。
週末にかけてエヌビディアの決算通過などをきっかけに買い戻しが入り、最高値を更新する展開になっています(確実)。

ここで興味深いのは、ChatGPTが選んだ3銘柄が、AI・半導体株とは別の文脈で評価されたことです。
市場が振り回されたAI・半導体株のテーマには乗らず、銀行株は「金利上昇=銀行収益にプラス」(確認したい点、日経 8306)、郵政は決算と中期計画への評価、通信は配当の安定性、というそれぞれ別の理由で買われた可能性があります。
つまり5月4週は、「AIが読んでいた世界」と「市場が実際に重視した材料」が、たまたま同じ方向を向いた週でした。3月の検証ログで指摘された「高ボラティリティ銘柄を入れて大きく外す」というパターンとは、対照的な構図です。
なお、為替はドル/円が158円台後半で、原油高と米長期金利上昇を背景に円安方向の地合いが続いています(確実、外為どっとコム 5/22)。これは保有3銘柄に直接の追い風にも逆風にもなりにくい構図ですが、銀行株の金利感応度には間接的に効いた可能性があります。
この実験で見えてきたこと
5月の結果を見て、AIという存在について、ひとつ気づいたことがあります。
それは、ChatGPTは「物語が分かれている銘柄」を組み合わせる傾向があるかもしれない、という観察です。
5月の3銘柄は、
・日本郵政:郵政改革と決算
・三菱UFJ:金利上昇と銀行収益
・ソフトバンク:通信の安定収益と配当
と、それぞれ動く理由が異なっています。
3月にAIが大きく外したとき(-9.4%)の組み合わせは、INPEX・三菱重工・アドバンテストでした。エネルギー、防衛、半導体と、これも一見バラバラに見えますが、当時の市場テーマとしては「高ボラ・モメンタム系」という一つの色に寄っていたとも読めます(推測)。
つまりAIは、「分散しているように見えて、同じ系統に寄ってしまう月」と、「動く理由がはっきり分かれている月」を、無自覚に作り分けている可能性があります。
検証上のポイントは、5月のように物語が分かれた月のほうが、結果として外部ショックに強くなる、という仮説が成り立つかどうかです。これはまだ仮説段階で、1か月の好成績だけで「AIが学習した」と結論づけるのは早すぎます。
数字の上では勝率60%、累計 +1.0%。冷静に見れば、まだ「市場平均を超えた」と言える成績ではありません。それでも、勝った月の伸びと負けた月の損失の作り方には、はっきり違いが出始めています。この差を、6月以降の選定でも観察したい点です。
今週の問い
来週の問いは、銘柄ではなく月のリズムにあります。
ChatGPTの5月は、第3週・第4週で +4,300円超を稼ぐ「後半型」の月でした。来週は5月の最終週となり、そのまま月末売りに向かいます。今週の +8.8% は最終週まで持つのか、それとも利益確定の売りに押されて目減りするのか。AIが選んだ「銀行・郵政・通信」が、最高値圏の日経平均についていけるかどうかが、今月の結論を決めます。
参考
株探ニュース:マーケット日報 2026年5月22日
株探ニュース:マーケット日報 2026年5月18日
マネイロメディア:5月18-22日 日経平均動向
株探ニュース:三菱UFJ 2026年3月期決算
Yahoo!ファイナンス:ソフトバンク(9434)決算
みんかぶ:日本郵政(6178)
日経会社情報DIGITAL:日本郵政(6178)
日経会社情報DIGITAL:三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)
Investing.com:ソフトバンク(9434)
外為どっとコム:ドル円見通し 2026年5月22日
illogs:2026年5月4日週 市場予想
注意点
この記事は投資助言ではありません。
提示されたデータと公開情報にもとづく、検証企画としての記録です。
将来の運用成績を保証するものではなく、特定銘柄の購入・売却・保有をすすめるものでもありません。
銘柄や数字を引用する場合は、必ずご自身で最新の情報を確認してください。




