この企画、ざっくり言うと

・テーマ:ChatGPTが選ぶ銘柄は市場に勝てるのかを、ルール固定で1年間検証する企画です。
・期間:2026年1月〜12月、毎月1回運用します。
・やり方:月初に原則3銘柄を買い、途中で売らず月末に一括売りします。
・条件:新NISA(成長投資枠)+SBI証券+S株(単元未満株=1株単位で買える仕組み)中心です。
・記録:毎月「選定理由→運用→損益→振り返り」を公開し、年末に総決算します。

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今週の一行

AIが「成長への期待」で選んだ銘柄が、「成長への恐怖」で売られた週だった。

AIの通知表

6月第2週(6月8日〜12日ごろ)の結果をまとめます。

■6月第2週の運用状況(確実)

投資額:80,494円
第2週評価額:79,876円
損益:-618円
損益率:-0.8%

■第1週からの変化(確実)

第1週評価額:82,590円(損益+2,096円、+2.6%)
第2週評価額:79,876円(損益-618円、-0.8%)
1週間の変化:-2,714円

第1週で作った利益をすべて吐き出し、小幅なマイナスに転落しました。

■1月からの累計損益(確実)

6月第1週時点の累計損益:+2,793円
6月第2週の悪化額:-2,714円
6月第2週時点の累計損益:+79円

3月の大きな損失を、4月・5月・6月第1週で丁寧に回復してきました。
しかし、6月第2週の日立下落によって、累計はほぼトントンまで逆戻りしました。

■日経平均との比較(要確認・Web検索より補完)

6月第1週末(6月5日)の日経平均終値:約66,588円
6月第2週末(6月12日)の日経平均終値:約66,020円
週間騰落:約-568円(-0.85%)

今回の日経平均週間騰落は-0.85%に対し、今回の運用は-0.8%と、ほぼ同水準での下落でした。
ただし、週の中で日経平均は月曜に-3.85%という急落を経験しており、週内の荒れ方は激しかった週でした。
出典:松井証券 日経平均時系列データ株探ニュース(6月12日終値報道)

ChatGPTは正しかったか

6月の3銘柄について、選んだ理由と実際の動きを並べて確認します。

■NTT(9432)守り枠

ChatGPTの読み:「安定配当・低ボラティリティ(価格変動が小さい)の守り枠」として選定。

実際の動き:
購入単価148.8円に対し、第2週時点で約148.3円。
損益は-100円(-0.3%)。
第1週(146円)から第2週(148.3円)へは+2.3円の回復がありました。

検証:
守り枠として機能した、という評価ができます。
AI・半導体関連株が大きく売られた週でも、NTTはほぼ横ばいで推移しました。
ChatGPTが「低ボラティリティ」と読んだ点は、今週に限れば正しかった形です。

■日立製作所(6501)AI・電力インフラ成長枠

ChatGPTの読み:「AI・データセンター・電力インフラ・社会インフラDX・Lumada(日立のデジタル事業ブランド)・エナジー関連事業の成長期待」として選定。

実際の動き:
購入単価5,126円に対し、第2週時点で4,639円。
損益は-1,948円(-9.5%)。
第1週(5,300円)から-661円、4株分で-2,644円の急落でした。

検証:
ChatGPTが評価した「成長への期待」は否定されたわけではありません。
ただ、今週の動きは成長ストーリーとは無関係な要因で引き起こされました。
6月8日(月曜)に日経平均が前週末比-2,563円と急落。
この急落の直接の引き金は、米国の5月雇用統計が市場予想を上回り、FRB(米連邦準備理事会)の利上げ観測が再燃したことです。
金利が上がると、将来の成長に期待して高い株価がついているAI・ハイテク株は割高になりやすい、という仕組みで売りが広がりました。
日立は半導体の専業メーカーではありませんが、AI・データセンター・電力インフラ関連として買われていたため、テーマ全体の調整に巻き込まれました。
ChatGPTが選んだ「成長理由」自体は正しかったかもしれませんが、「成長期待で買われた銘柄は、利上げ懸念で最初に売られる」という市場の反応までは読んでいなかったといえます。
出典:EBC Financial Group「6月8日 日経平均急落の背景」野村證券 ウェルスタイル「米半導体株急落と日本株」

■三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)金利上昇メリット枠

ChatGPTの読み:「金利上昇(日銀利上げ)メリット・銀行株枠」として選定。

実際の動き:
購入単価3,023円に対し、第2週時点で3,166円。
損益は+1,430円(+4.7%)。
第1週(3,219円)からは-53円と、小幅に利益が縮小しました。

検証:
ChatGPTの読みと、最もズレが小さかった銘柄です。
金利上昇局面で銀行株が強い、という基本的な読みは今週も通用しました。
ただし、週後半の急反発(12日:日経平均+1,803円)は、米・イラン戦闘終結期待という銀行株の選定理由とは無関係な要因でした。
利益を出している理由の一部は、ChatGPTが想定していなかった地政学リスクの緩和にある可能性があります。

市場は何を考えていたか

6月第2週の日本株市場は、1週間で急落・混乱・急反発という激しい展開をたどりました。

週のはじめ(月曜6月8日)、日経平均は前週末比-2,563円(-3.85%)という記録的な急落を記録しました。
下落幅は今年2番目で、歴代でも5番目という水準です。

引き金になったのは、前週末(6月5日)に発表された米国の5月雇用統計でした。
雇用統計が市場予想を大きく上回り、「景気は強い→FRBは利上げに傾く→金利が上がる」という連鎖が起きました。
金利が上がると、将来の成長に期待した高いバリュエーション(株価の割高さの指標)がつきやすいAI・ハイテク株は特に売られやすくなります。
米国でSOX(半導体株指数)が前日比-10.3%という急落を記録し、その波が日本株にも及びました。
出典:野村證券 ウェルスタイル「米半導体株急落と日本株」

さらに、中東情勢の緊張再燃(原油高圧力)もリスク回避の動きに拍車をかけました。

週の後半は一転して急反発。
6月12日(金)は日経平均+1,803円(+2.81%)となりました。
背景は、米・イラン間の戦闘終結に向けた合意期待が高まったことです。
出典:株探ニュース(6月12日市場概況)

ChatGPTは6月の銘柄を「AI成長期待」「金利上昇メリット」「守り」という3つの軸で選びました。
しかし今週の市場を実際に動かした材料は「米雇用統計の上振れ」「FRBの利上げ観測」「中東の停戦交渉の進展」でした。
ChatGPTが想定していた世界と、市場が実際に反応した世界の間には、1週間でこれだけのズレが生じることがあります。

この実験で見えてきたこと

今週、改めて気づいたことがあります。

ChatGPTは銘柄を選ぶとき、「なぜこの会社は今後成長するか」という理由を非常に丁寧に組み立てます。
日立については「AI・データセンター・電力インフラの成長期待」、三菱UFJについては「金利上昇による利ざやの拡大」、NTTについては「安定配当と低ボラティリティ」というように、それぞれに論理的な根拠があります。

しかし、株価が短期的に動く理由は、「成長するかどうか」とは別のところにあることが多いと感じます。

今週の日立の急落は、日立の業績が悪化したからではありません。
米国の雇用統計という、日立の事業とは直接関係のないデータが、「金利が上がりそう→AI株は割高になる→売ろう」という連鎖を引き起こしました。
ChatGPTが選んだ「日立が成長する理由」は、今週の動きの中では一度も問われませんでした。

この現象は今回が初めてではありません。
企画全体を通じて、「ChatGPTが選んだ理由」と「実際に株価を動かした材料」が一致する週は、むしろ少数です。

AIは「長期的に正しそうな理由」を選ぶのが得意です。
一方で、市場は「今週起きた出来事」に反応します。
この2つの時間軸のズレが、この企画でいちばん繰り返し見えてくるパターンです。

ただし、だからといってChatGPTの選定が「間違い」とも言い切れません。
三菱UFJは今週も+4.7%のプラスを維持しており、「金利上昇メリット」という読みは今のところ通用しています。
今週の教訓は「短期では理由と価格が乖離することがある」ということで、それ自体が、この実験の記録として重要な観察です。

来週の問い

日立(6501)は今週4,639円まで下落した。ChatGPTが「AI・電力インフラの成長」と選んだこの銘柄が、月末までに購入単価5,126円を回復できるのか。それとも、「期待で買われた分の巻き戻し」は続くのか。6月運用の最終結果は、日立の反発力にかかっている。

参考

EBC Financial Group「2026年6月8日 日経平均急落の背景と今後の見通し」
野村證券ウェルスタイル「米半導体株急落で日本株大幅安」
松井証券 日経平均株価 時系列データ
株探ニュース「日経平均 6月12日大引け概況」
IG証券「日経平均 急落見通し・雇用統計過熱ショック」

注意点

・この記事は投資助言ではありません。
・提示データと公開情報にもとづく検証記事です。
・将来の運用結果を保証するものではありません。
・特定銘柄の売買をすすめるものではありません。

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