この企画、ざっくり言うと
・テーマ:ChatGPTが選ぶ銘柄は、市場に勝てるのかを、ルールを固定して1年間かけて検証しています。
・期間:2026年1月〜12月、毎月1回、運用しています。
・やり方:月初に原則3銘柄を買い、途中では売らず、月末に一括で売ります。
・条件:新NISA(成長投資枠)+SBI証券+S株(単元未満株)を中心に運用しています。
・記録:毎月「選定理由→運用→損益→振り返り」を公開し、年末に総決算をお届けします。

今月の一行
実は5週目の最終日にこのレポートの提出が間に合わず、遅れての公開になってしまいすみません。
ところで、日経平均が最高値を更新した6月に、ChatGPTが「AI株」として選んだ銘柄だけが、置いていかれるという出来事が起きていました。
結論から先にお伝えします。6月の運用結果は-1,124円(-1.4%)。日経平均は同じ月に+5.63%上昇しています。数字だけ見ると悔しい月ですが、そのズレの中身をたどっていくと、この企画らしい発見がいくつも見えてきました。
AIの通知表(6月末時点)
結論:6月は-1,124円(-1.4%)で着地し、1月から6月までの累計はほぼゼロに近い-427円です。
まずは数字の答え合わせから、静かに始めましょう。まるで通知表を開く前の、あの少し緊張する瞬間のように。
【6月の成績】
・今月の損益:-1,124円(-1.4%)
・投下額:80,494円
・最終評価額:79,370円

銘柄別の内訳は以下の通りです。
・NTT(9432)守り枠:投資額29,760円→評価額29,020円、-740円(-2.5%)
・日立製作所(6501)AI・電力・インフラ成長枠:投資額20,504円→評価額18,200円、-2,304円(-11.2%)
・三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)金利上昇メリット・銀行株枠:投資額30,230円→評価額32,150円、+1,920円(+6.4%)

週ごとの流れは、ジェットコースターのようでした。
・第1週:82,590円(+2,096円、+2.6%)
・第2週:約79,816〜79,876円(約-678〜-618円、約-0.8%)
・第3週:約80,636〜80,716円(約+142〜+222円、約+0.2〜0.3%)
・第4週:約79,222円(約-1,272円、約-1.6%)
・最終:79,370円(-1,124円、-1.4%)
【日経平均との比較】
6月の日経平均は、5月末の66,329.50円から6月末の70,062.32円まで上昇し、月間で+3,732.82円(+5.63%)でした株探ニュース。ポートフォリオの-1.4%との差は、7ポイントを超えます。

1月から6月までの累計は、以下の通りです。
・1月:+1,829円
・2月:+1,781円
・3月:-5,512円
・4月:-713円
・5月:+3,312円
・6月:-1,124円
・累計:約-427円〔入力データより再計算〕
半年分を並べてみると、大きく崩れているわけではありません。まるで、良い日も悪い日もある体調の波のように、行ったり来たりしながら、ほぼゼロ地点に戻ってきています。
ChatGPTは正しかったか
結論:三菱UFJは選定理由どおりに動き、日立は選定理由と逆の結果になりました。NTTは、守り枠としての役目を十分に果たせませんでした。
ここが今回のレポートの本題です。1銘柄ずつ、丁寧に見ていきます。
■ NTT(9432)
ChatGPTの読み:「守り枠」として選定〔確実、選定理由の詳細は提示データからは不明〕
実際の動き:-740円(-2.5%)、終値約145円前後で推移
検証:守り枠として選ばれた銘柄が、月間でマイナスに沈みました。通信セクターに資金が向かう材料は目立たず、下支え役としての力は限定的だったといえそうです。大崩れはしていませんが、「守ってくれる銘柄」という期待には、届きませんでした。
■ 日立製作所(6501)
ChatGPTの読み:「AI・電力・インフラ成長枠」として選定
実際の動き:5,300円(第1週)→4,550円(最終)、-2,304円(-11.2%)
検証:ここが一番興味深いところです。日立が選ばれた理由(AI・電力・インフラ成長)は、実は6月の日経平均を動かした中心テーマそのものと重なっていました。半導体・AI関連株への資金集中が、6月の相場を最高値まで押し上げていたからです。それにもかかわらず、日立自身は月間で二桁のマイナスとなりました。テーマの方向性は合っていたのに、代表銘柄が連動しなかった、というねじれが起きています。
■ 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)
ChatGPTの読み:「金利上昇メリット・銀行株枠」として選定
実際の動き:+1,920円(+6.4%)、終値3,215円前後
検証:6月は日銀の利上げ観測が意識される場面が続き、銀行株には資金が向かいやすい地合いでした岩井コスモ証券 市況解説。三菱UFJに関しては、選定理由と実際の値動きが素直に一致した、数少ない例といえます。
市場は何を考えていたか
結論:6月の日経平均は「AI・半導体人気の過熱→歴史的急落→押し目買いでの回復」という一本の物語をたどりました。
初心者の方向けに補足すると、日経平均とは、東証に上場する代表的な225銘柄の株価から計算される指数(日本株全体の体温計のようなもの)です。
6月は、その体温計が乱高下した月でした。
まず月の半ば、6月22日には日経平均が72,831.73円まで買われ、年初来高値を更新しましたYahoo!ファイナンス 日経平均株価 時系列。ところが、その4日後の6月26日には、前日比-3,005.46円(-4.15%)という、終値ベースで歴代3位の下げ幅を記録しています。背景には、AI関連の株価に積み上がっていたポジションの一斉解消(裁定解消売り)と、大手AI企業の新規株式公開(IPO)先送り報道が、AI関連銘柄全体の期待感を冷やしたことがあったと報じられていますDesk Research Design マーケットレビュー。

その後、月末にかけては米国のハイテク株高(半導体株指数SOX+3.8%)を受けて investor心理が改善し、6月30日には70,062.32円まで戻して取引を終えています株探ニュース。
この値動きを、ChatGPTの選定理由と重ねてみます。日立が選ばれた「AI・電力・インフラ成長」というテーマは、6月の相場のまさに主役でした。ですが、主役級のテーマだったからこそ、期待が積み上がりすぎて、急落局面での売りにも巻き込まれやすかった可能性があります〔推測、日立個別の売買動機までは確認できていません〕。材料の強さと、短期的な値動きの安定感は、必ずしも一致しないようです。
この実験で見えてきたこと
数字の解説から少し離れて、AIという存在そのものについて、感じたことを書きます。
ChatGPTは、いつも自信を持って理由を並べます。「AI・電力・インフラの成長期待」という言葉には、迷いがありません。けれど、その理由が正しい方向を向いていたとしても、株価が同じ速さで、同じ方向に動いてくれるとは限らないのだと、今月はっきり感じました。
面白いのは、6月の相場そのものが「AI・半導体の期待が膨らみすぎて、一度弾け、また戻る」という、まさにAIテーマの縮図のような1か月だったことです。ChatGPTが選んだ日立は、その物語のちょうど真ん中で揺さぶられました。読みが外れたというより、読みが当たりすぎて、その熱気の反動をまともに受けた、と言った方が近いかもしれません。
一方で三菱UFJのように、地合いに静かに寄り添うようにして、選定理由がそのまま結果につながった銘柄もあります。派手なテーマではなくても、着実に机の上の材料を積み重ねた銘柄の方が、今月は報われました。
半年間を振り返ると、累計はほぼゼロ地点です。勝ったとも負けたとも言い切れない、この宙ぶらりんな結果こそが、この実験のリアルな姿だと思います。
来月の問い
7月からは、新しい選定プロンプトでの運用が始まります。「材料はあるけれど、すでに買われすぎている銘柄」を、ChatGPTは避けられるようになるのでしょうか。7月の結果が、その答えの最初の手がかりになりそうです。
参考
株探ニュース「日経平均 大引け|続伸、半導体関連の一角が買われ7万円台回復(6月30日)」
Yahoo!ファイナンス「日経平均株価:時系列・推移」
Desk Research Design「マーケットレビュー:歴史的暴落の裏側(2026年6月26日)」
岩井コスモ証券「市況解説 2026年6月4日」
まこと おさむ「今日の日本株式市況(2026年5月29日)」
注意点
この記事は投資助言ではありません。提示されたデータと公開情報にもとづく検証記事であり、将来の運用成果を保証するものではありません。特定銘柄の売買をすすめる内容ではありませんので、投資の最終判断はご自身で行ってください。




