この企画、ざっくり言うと
・テーマ:ChatGPTが選ぶ銘柄は市場に勝てるかを、ルール固定で1年検証
・期間:2026年1月〜12月、毎月1回運用
・やり方:月初に原則3銘柄を買い、途中で売らず月末に一括売り
・条件:新NISA(成長投資枠)+SBI証券+S株中心
・記録:毎月「選定理由→運用→損益→振り返り」を公開し、年末に総決算

今週の1行:日経平均が歴代5位の暴落を食らった週に、ChatGPTのポートフォリオは踏みとどまった
7月第3週、日経平均は週間で4,416円を失いました。歴代最大の週間下落幅です。
そのさなかに、ChatGPTが組んだ3銘柄ポートフォリオは前週から969円の改善。損失はわずか304円まで縮小しています。
日経平均が月初から約9%沈むなかで、このポートフォリオのマイナスは0.43%。AIが選んだ3銘柄が、結果として市場全体を8ポイント以上も上回っている。これは予想外の展開でした。
AIの通知表:ChatGPT選定3銘柄の第3週スコア
第3週終了時点(7月18日基準)のポートフォリオ成績です。
69,835円
−304円(−0.43%)
+969円 改善
あと304円
実投資額70,139円に対して、評価額は69,835円。損益は−304円、損益率は−0.43%です。
前週の−1,273円(−1.81%)から969円改善し、損益ゼロまであと304円のところまで来ました。
注目すべきは日経平均との比較です。日経平均は7月1日の70,474円から7月17日に64,141円まで急落。月初からの下落率は約−8.99%に達しています(出典:株式ちゃんねる 7月1日データ、株探 7月17日大引け)。
ChatGPTのポートフォリオはこの期間−0.43%にとどまっており、日経平均を約8.56ポイント上回っています。
ChatGPTは正しかったか:3銘柄の読みと現実のズレを検証する
今月ChatGPTが選んだ3銘柄それぞれについて、選定理由と実際の値動きを並べて検証します。
明確な外れ
現実:7月14日には欧州特許紛争の報道で一時8.8%急落。週後半は半導体セクター全体の歴史的な売りに巻き込まれ、購入価格から4分の3の水準まで沈みました。成長テーマは崩れていなくても、短期の買いタイミングを大きく外したと言わざるを得ません。
明確な当たり
現実:第2四半期決算は売上収益が前年同期比24.7%増、営業利益43.7%増の大幅増収増益。海外スシロー事業の売上は60%増と飛躍しています。半導体が売られた週に、内需・外食テーマとして資金の逃避先になった可能性もあります。購入価格から+14.3%は、7月の3銘柄で最も明確な成功です。
ほぼ横ばい
現実:第2週時点では+2.6%と堅調でしたが、第3週に下落して利益はほぼ消失。購入単価4,792円に対して現在4,793円と、たった1円のプラスです。大きな損失は出していないので下支え役としては最低限機能しましたが、上昇銘柄としての予想は未達です。
第3週の銘柄別寄与を整理します。
+969円
第3週のポートフォリオを動かしたのは、ほぼF&LC1銘柄です。
フジクラが−2,034円、T&Dが−615円、合計で−2,649円の押し下げ。これをF&LCが+3,618円のプラスで単独で吸収し、全体で+969円の改善につなげました。
「2勝1敗」と言いたくなるところですが、少し注意が必要です。T&Dの利益はたった5円。実態としては、1銘柄が明確に成功し、1銘柄がほぼ横ばい、1銘柄が大幅に失敗。金額ベースでは70,139円の投資に対してまだ304円のマイナスなので、「勝っている」とは言えません。
| 時点 | 評価額 | 損益 | 損益率 |
|---|---|---|---|
| 第1週 | 68,702円 | −1,437円 | −2.05% |
| 第2週 | 68,866円 | −1,273円 | −1.81% |
| 第3週 | 69,835円 | −304円 | −0.43% |
毎週着実に改善しています。第1週→第2週が+164円、第2週→第3週が+969円。改善のペースは加速しています。
ただし、この改善は3銘柄が均等に上がった結果ではありません。F&LCの急上昇がフジクラの下落を吸収するという、かなり偏った構造で支えられています。
市場は何を考えていたか:歴代最大の週間下落幅とAI半導体セクターの転機
第3週の東京市場は、まさに嵐のような1週間でした。
7月17日(金)、日経平均は前日比2,694円安(−4.03%)の64,141円で取引を終えました。これは歴代5位の下落幅です。しかも前日16日も1,915円安と大幅続落しており、わずか2営業日で4,610円が消えました。週間の下落幅4,416円は、過去最大を記録しています。
下落の中心は、これまで相場を押し上げてきたAI・半導体関連株です。米国のフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が6月の高値から20%以上下落してテクニカル的な弱気市場入りし、東京市場にもその波が直撃しました。キオクシアがストップ安、アドバンテストや東京エレクトロンも急落。日経平均の下げのうち約63%が、わずか5銘柄の半導体関連株によるものだったと報じられています。
背景には中東情勢の緊迫化もありました。イラン関連の報道が投資家のリスク回避姿勢を強め、原油価格も急上昇しています。
この市場環境は、ChatGPTの銘柄選定に対して2つの異なる影響をもたらしました。
ひとつは、AI・データセンター需要を理由に選ばれたフジクラ(5803)への逆風です。フジクラは7月14日にインドの競合との欧州特許紛争で不利な報道が出て一時8.8%急落し、さらに週後半の半導体セクター総崩れに巻き込まれました。ChatGPTが選定理由として挙げた「AI需要」「光ファイバーの成長」は、まさに市場が売りのターゲットにしたテーマそのものだったわけです。
もうひとつは、F&LC(3563)への追い風です。半導体が売られるなかで内需・外食セクターには資金が流入する傾向があり、F&LCの好決算(売上24.7%増、営業利益43.7%増)も重なって株価は週間で12.5%上昇しました。ChatGPTが「他の2銘柄とは異なる外食テーマ」として組み入れた判断が、皮肉にも半導体暴落の防波堤になったのです。
つまり第3週の市場は、ChatGPTの選定理由をストレートに裏切りながら、銘柄の組み合わせとしては結果的に機能した、という複雑な構図を描きました。
この実験で見えてきたこと:AIが「外した理由」と「当てた理由」は別のものだった
今回の検証で最も興味深いのは、ChatGPTの「読みの当たり外れ」と「ポートフォリオとしての結果」がまったく別のロジックで動いているという点です。
フジクラを選んだ根拠は「AI・データセンター需要」でした。この読み自体は、中長期で見れば間違っているとまでは言えません。しかし、7月という短期間では半導体セクター全体の急激な調整に巻き込まれ、購入価格から−24.6%という痛手を負いました。
一方、F&LCの選定理由は「海外展開」「業績再評価」。こちらは第2四半期の好決算という具体的な裏付けがありましたが、+14.3%という上昇幅のすべてが業績だけで説明できるかというと、半導体から逃げた資金の受け皿になったという市場の需給要因も大きそうです。
つまり、ChatGPTが「正しかった理由」と「株価が上がった理由」は、微妙にずれている。
AIは企業のファンダメンタルズ(業績や成長性)を評価して銘柄を選びます。でも短期の株価を動かすのは、地政学リスクや信用収縮、セクターローテーションといった「企業の外側」で起きる出来事です。AIの判断軸と市場の動力源がずれている以上、たとえAIの読みが正しくても結果が裏目に出ることはあるし、逆に読みが浅くても結果オーライになることもある。
それでも、今回のポートフォリオが日経平均を8ポイント以上アウトパフォームしている事実は見逃せません。ChatGPTが意識的に「異なるテーマの銘柄を混ぜた」ことで、半導体暴落という想定外のリスクを結果的に分散できた。これは「正しい選定理由」とは別の、組み合わせの妙というべきものです。
最終週に向けて、損益ゼロまであと304円。フジクラが4,574円(現在比+2.3%)まで戻るか、F&LCが5,460円まで伸びるか、T&Dが4,854円まで上がるか。どれかひとつが小さく動くだけで、プラス転換できる位置にあります。
ただし、利益の大半がF&LC1銘柄に集中している以上、この銘柄が崩れればすべてが振り出しに戻ります。安定した状態とは言いがたい。最終判定は2026年7月31日の売却額で決まります。
参考
株式ちゃんねる 2026年7月1日 マーケット情報
株探 7月17日 マーケット日報
株探 7月17日 大引け AI・半導体関連が軒並み安
日本経済新聞 フジクラ株価が一時8.8%安(2026年7月14日)
kabuya66 フジクラ特許紛争解説(2026年7月)
Yahoo!ファイナンス FOOD & LIFE COMPANIES 株価・決算情報
KabunoteJP 2026年7月17日レポート 日経平均歴史的暴落
注意点
本記事は、ChatGPTが選定した銘柄の値動きを追跡・検証するドキュメンタリー企画です。筆者(および本記事で使用しているAI)による投資助言ではありません。
掲載している損益・株価データは、提示された集計データおよび公開市場情報をもとにしています。税金・売買手数料などは含まず、評価額と実投資額の比較で算出しています。
過去の結果は将来の運用成果を保証するものではありません。特定の銘柄の購入・売却・保有をすすめる意図はありません。投資に関する判断はご自身の責任でお願いいたします。




