この企画、ざっくり言うと
この連載は、ChatGPTが選ぶ日本株が市場に勝てるかを、ルールを固定して1年間検証する企画です。
・テーマ:ChatGPTが選ぶ銘柄は市場に勝てるかを、ルール固定で1年検証
・期間:2026年1月〜12月、毎月1回運用
・やり方:月初に原則3銘柄を買い、途中で売らず月末に一括売り
・条件:新NISA(成長投資枠)+SBI証券+S株中心
・記録:毎月「選定理由→運用→損益→振り返り」を公開し、年末に総決算

- 毎月ChatGPTが日本株3銘柄を選定
- 月初に購入、月中は売買せず月末に清算
- NISA成長投資枠+SBI証券のS株を使用
- 投資助言ではなく、観察記録として運営
今週の一行:AI株検証、ソニーの急落を1489が支えた週
第2週に大きく伸びたソニーグループ(6758)が調整し、代わりに「守り役」だったはずのETFが利益を押し上げる。
そんな、順番が入れ替わる週でした。
3銘柄のうち誰が主役になるかが、週ごとにきれいに入れ替わっていく。
AI株検証、8月第3週の答え合わせです。
AIの通知表:8月第3週の損益は+4,006円
8月3日から運用している3銘柄、第3週終了時点の損益はプラス4,006円、利益率は+4.68%でした。
3銘柄すべてが取得価格を上回っており、含み益を維持しています。
週ごとの推移を見ると、第1週+3,446円、第2週+4,612円、第3週+4,006円と、右肩上がり一直線ではありません。
第2週から第3週にかけては606円縮小しています。
それでも第1週と比べれば560円多い利益を維持しているので、大崩れしているわけではなさそうです。
日経平均については、8月中旬に一時69,000円台まで上昇したあと、中東情勢の緊迫化や長期金利の上昇を受けて8月18日に急落し、19日には65,000円台まで下げる場面がありました。前日の米株安を受けて取引序盤から売りが先行し、米国とイランの対立が深まり中東では一段と緊張が高まっていることが影響しました。ポートフォリオと日経平均の同期間での厳密な数値比較は、提示データからは不明です。
ChatGPTは正しかったか:ソニーグループ(6758)の急騰と調整
ここが今週いちばんの見どころです。
■ ChatGPTの読み
ソニーグループ(6758)は「値動きの大きい攻め枠」として選定されました。
上方修正や好決算といった、1カ月ほど継続しそうな材料の持続性を重視する選定ロジックに沿った銘柄です。
■ 実際の動き
取得単価3,568円に対し、第2週には3,912円まで上昇し、一時+9.6%に到達しました。
背景には、7月31日発表の決算があります。2027年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比8.2%増の2兆8,378億円、営業利益が40.2%増の4,765億円と大幅な増収増益となりました。イメージセンサー事業とゲーム事業が牽引したとみられ、市場は好感して買いを入れたようです。
ところが第3週では3,785円まで下落。
第2週比では約-3.2%の調整となり、利益率も+9.6%から+6.1%へ縮みました。
■ 検証
決算という「材料の持続性」を狙ったロジックは、少なくとも決算直後の上昇局面ではしっかり効いていました。
これは予想外というより、ある意味で「読み通り」の展開だったと言えそうです。
一方で、その後の調整については、決算の中身というよりも市場全体の地合いに引きずられた面が大きそうです。
8月18日以降、中東情勢の緊迫化と長期金利の上昇を受けて、AI・半導体関連を中心に指数寄与度の大きい値がさ株に売りが広がりました。中東情勢を巡る不透明感の高まりや国内外の金利上昇が投資家心理を冷やし、指数寄与度の大きい人工知能・半導体関連の値嵩株を中心に売りが膨らむ展開となりました。
ソニーは半導体そのものではありませんが、値がさ株として同じ流れに巻き込まれた可能性があります。
つまり、「なぜ上がったか」はロジック通りに説明できても、「なぜ調整したか」は選定理由そのものとは無関係な、地合いの問題だった可能性が高いということです。
ChatGPTは理由を選べても、タイミングまでは選べない。
今回もその構図が、また一つ積み上がった形です。
市場は何を考えていたか:地政学と金利が主役だった1週間
第3週の主役は、個別銘柄の材料というより、地政学リスクと金利でした。
8月17日には日経平均が5営業日続伸し、1カ月半ぶりに69,000円台を回復しました。しかし米国時間の8月17日、トランプ大統領が記者団に対し、米国はイランとの覚書の延長を求めていないと述べたことで中東情勢の先行き不透明感が改めて意識され、原油相場や長期金利が上昇しました。
この流れを受け、翌18日はAI・半導体関連株などに売りが膨らみ、日経平均株価は前日比1,759円安の6万7,500円を割り込みました。
日本の長期金利(=国の借金の利子にあたる指標で、上がると株式より債券の魅力が相対的に増すため株安要因になりやすいもの)も約30年ぶりの高水準圏で推移しており、金利上昇が株式市場の重しになっている構図がうかがえます。
ChatGPTの選定理由と直接結びつく材料ではありませんが、値がさ株中心に売られやすい地合いだったことは、ソニーの調整と無関係ではなさそうです。
一方、1489(NF・日経高配当50 ETF)とJPX(8697)は、個別の値がさ株ほど地合いの影響を受けにくい構成だったこともあり、比較的落ち着いた値動きを保っています。
気になる「AIは株価を当てたのか」を数字で見る
3銘柄がすべてプラスという結果は、ChatGPTが株価を正確に予測した証拠になるのでしょうか。
ここは、今回いちばん誤解されやすいポイントかもしれません。
今回の運用には、選定ロジックの効果、市場全体の上昇、個別の決算材料、そして偶然が入り混じっています。
3銘柄すべてが上昇していること自体、市場全体が強い局面では起こりやすい現象でもあります。
なので、「3銘柄全部プラス=AIが未来を当てた」と言い切るのは、まだ早いというのが正直なところです。
現時点でより評価しやすいのは、「未来の株価を当てる力」よりも、「悪い条件を持つ銘柄を選びにくくする分析工程」の方です。
決算をまたがない、高値づかみを避ける、1銘柄に集中しすぎない。
こうした「負け筋を減らすルール」は、今回のソニーの決算直後の上昇にも、1489が下支え役として機能した場面にも、それなりに整合する形で現れていました。
ただし、今回の運用では1489の投資比率が実際には約39.6%となっており、選定ロジック側にある「1銘柄35%以下」というルールとは、厳密には一致していない部分もあります。
この点は、プロンプト通りの運用とは言い切れない要素として、留意しておきたいところです。
一方で、選んだ株価がどこまで上がるか、いつ調整が来るかといった「タイミング」の予測については、まだ何とも言えません。
今のところ言えるのは、「毎月+5%になる再現性」ではなく、「負けやすい構成を選びにくくする再現性」の方に、期待が持てそうだということです。
判断するにはまだ、材料が少なすぎます。
この実験で見えてきたこと
今週いちばん面白かったのは、「攻め役」だったソニーが調整した週に、「守り役」のはずだった1489が代わりに利益を伸ばしていたことです。
第1週はJPXが牽引し、第2週はソニーが牽引し、第3週は1489が下支えする。
毎週、主役が入れ替わっている。
これは偶然というより、複数銘柄を組み合わせておくことの意味を、地味に証明している場面なのかもしれません。
1つの銘柄に賭けていたら、この3週間はもっとハラハラする展開になっていたはずです。
AIが未来を当てられるかどうかより先に、「AIに、負けにくい組み方を考えさせる」という発想の方が、案外実用的なのかもしれない。
丸の内で働きながら投資を始めたばかりの方にとっても、「一点集中で当てにいく」より「複数の役割を組み合わせて崩れにくくする」という考え方は、そのまま参考になる視点ではないかと思います。
来月以降も、この設計思想がどこまで機能し続けるのか、引き続き見届けていきます。
参考
ソニーグループ(株)【6758】:株価・株式情報 - Yahoo!ファイナンス
来週(8/24~8/28)の日経平均株価の予想レンジは6万3000~6万8000円!|ダイヤモンド・ザイ
注意点
本記事は投資助言ではありません。
提示されたデータおよび公開情報に基づく検証記事であり、将来の運用成果を保証するものではありません。
特定銘柄の購入・売却・保有をすすめる内容は含んでいません。
投資判断はご自身の責任で行ってください。




