「AIの推し銘柄は当たるのかガチ検証」って何の企画?
ChatGPTが選ぶ日本株は、市場に勝てるのか。
この企画は、それをルール固定・実資金・1年間で検証するドキュメンタリーです。
- テーマ:ChatGPTが選ぶ銘柄は市場に勝てるかを、ルール固定で1年検証
- 期間:2026年1月〜12月、毎月1回運用
- やり方:月初に原則3銘柄を買い、途中で売らず月末に一括売り
- 条件:新NISA(成長投資枠)+SBI証券+S株中心
- 記録:毎月「選定理由→運用→損益→振り返り」を公開し、年末に総決算

この記事の内容
ChatGPTが選んだ日本株、8月は最終的に+6.85%で終えました
1ヶ月かけて見てきて、いちばん意外だったのはここです。
8月は月初の円高ショック、中旬の急騰、そこからの急落、月末の持ち直し、そして最終日午前の再びのリスクオフ。かなり激しく上下したのに、ポートフォリオの着地点は第4週とほぼ変わりませんでした。
第4週時点の+5,874円(+6.87%)に対し、最終結果は+5,863円(+6.85%)。差はわずか11円です。
8月・最終結果
+5,863円(+6.85%)
投資額85,536円に対し評価額91,399円。3銘柄すべてがプラスで着地しました。
ただし、最終日8月31日午前は、米国とイランの情勢緊迫化や原油高、米利上げ観測を受けて日経平均が一時大きく下落する場面もありました。今回の数値は月末の記録値をもとにした集計で、日経平均・TOPIXの正式な8月終値は原稿時点でまだ確定していません。
AIの通知表:8月最終の累計損益は+5,863円(+6.85%)
まず数字を正確に押さえておきます。
| 銘柄 | 株数 | 取得単価 | 最終記録値 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 1489(日経高配当50) | 10口 | 3,386円 | 3,579円 | +5.7% |
| ソニーグループ(6758) | 6株 | 3,568円 | 3,982円 | +11.6% |
| JPX(8697) | 14株 | 2,162円 | 約2,265.5円 | +4.8% |
投資額85,536円に対し、評価額は91,399円。合計損益は+5,863円(+6.85%)です。予算枠9万円全体に対しても+6.51%となりました。
週ごとの推移を振り返ると、第1週+3,446円(+4.03%)、第2週+4,612円(+5.39%)、第3週+4,006円(+4.68%)、第4週+5,874円(+6.87%)、そして最終+5,863円(+6.85%)と、山あり谷ありでもプラス圏を維持し続けました。
特に第4週(8月21日〜28日)は、TOPIXが週間で約+1.95%と強く、ポートフォリオの週間上昇率約+2.09%との差はわずか0.1ポイント。この週単体は「銘柄選定の勝利」というより、地合いの追い風が主役でした。一方で最終週の内訳を見ると、1489が+50円、ソニーが+324円、JPXが-385円。JPXが下がった分をソニーと1489が支えるかたちで、月最終盤の全体はほぼ横ばいでした。
ChatGPTは正しかったか:8月を通した3銘柄の答え合わせ
1ヶ月を通して見ると、読みと現実の一致度は銘柄ごとに違いました。
ソニーグループ(6758):8月の主役
最終+11.6%は3銘柄中もっとも高い結果でした。選定時に重視されたのは7月31日の第1四半期決算です。営業利益は前年同期比で大きく伸び、通期営業利益予想も上方修正されました。ゲームとイメージセンサーが業績を支えたとのことです。
「好決算から評価が続く」というChatGPTの読みは、8月を通してかなり機能したといえます。第4週だけを見ても前日比+1.50%、出来高も活発に推移し、7月末の好決算・上方修正の評価が最終盤まで残っていたことがうかがえます。ただし、+11.6%という上昇幅そのものまで言い当てていたわけではありません。中旬の急騰局面や、米ハイテク株高のセンチメント改善など、市場全体が強かったことも上昇を後押ししました。
1489:守り役以上の働き
最終+5.7%。1489は日経平均構成銘柄のうち予想配当利回りの高い銘柄に投資するETF(上場投資信託)で、当初は「個別株が崩れたときの下支え」という役割を想定していました。
実際には3,496円→3,526円→3,550円→3,574円→3,579円と、5週連続で値を積み上げる安定した動きを見せました。ソニーが調整した週も利益を保てたのは、この銘柄の分散効果が働いたからだと考えられます。第4週単体ではTOPIXの上昇に対してやや見劣りする場面もありましたが、月を通しての安定感は際立っていました。
JPX(8697):派手さはないが役割を果たした
最終+4.8%。第1四半期は現物株の売買代金増加などを背景に、営業収益・営業利益とも前年同期比で大きく伸びていました。「相場が動けば取引量が増え、JPXの収益に追い風」という選定ロジックどおり、8月は値動きの激しい相場だったこともあり、第1週や第4週の利益貢献は大きかったものの、最終盤にかけては伸び悩みました。8月28日の東証プライム売買代金は約8兆1,223億円と高水準で、選定理由と市場環境の整合性はあったと評価できます。
最終的な利益寄与は、1489が約33%、ソニーが約42%、JPXが約25%。ソニー1銘柄への依存が強まった面はありますが、3銘柄すべてがプラスで終えた点は変わりません。
なお、1489の投資額33,860円は予算9万円に対して約37.6%となり、当初想定していた1銘柄35%以下というルールをわずかに超過しています。超過分は1口多く買ったことによるもので、その追加1口分の利益は193円程度でした。全体の成績を左右するほどの影響ではありませんが、ルールどおりではなかった点として記録しておきます。
市場は何を考えていたか:8月は「乱高下の月」でした
結論から言うと、8月は単純な右肩上がり相場ではなく、月初下落→中旬急騰→急落→再上昇→月末再びリスクオフという、値動きの激しい1ヶ月でした。
月初8月3日、日経平均は前週末比607円安の63,754.90円で反落。日米両政府による15年ぶりの協調円買い介入を受けた急速な円高が、輸出関連株の重荷になりました。海外事業比率の高いソニーにとって本来は逆風となる材料ですが、結果としてこの円高・株安局面で低めの価格で取得できたことが、その後のエントリー価格を有利にした面があります。
中旬にかけては一転してリスクオンが強まり、日経平均は8月17日に69,220.25円まで上昇。8月3日から約8.6%の上げ幅です。好決算銘柄やAI・ハイテク株への買いが強まった時期で、ソニーが第2週に大きく上昇したのもこのタイミングと重なります。
ところが8月18日から19日にかけて急反落し、17日の高値圏から19日終値まで約5.6%下落しました。地政学リスクや長期金利上昇への警戒が強まり、値がさ・ハイテク株に売りが出た時期です。ソニーが第2週から第3週にかけて調整したのも、この地合い悪化とタイミングが重なっています。
その後、第4週(8月21日〜28日)にかけて持ち直しが進みました。週前半の24日は世界的な金利上昇と半導体株安を受けて日経平均が下落する一方、TOPIXは小幅上昇するという「指数のねじれ」が見られました。週後半は米エヌビディアの好決算が好感され、28日の東京市場は前日比273.58円高で反発。8月3日から28日までの騰落率は、日経平均が約+4.16%、TOPIXが約+4.71%でした。一方で日本10年国債利回りは2.925%まで上昇しており、金利上昇への警戒は月を通して残ったままでした。
そして最終日の8月31日午前は、米国とイランの情勢緊迫化や原油高、米利上げ観測を受けて日経平均が下落してのスタートとなりました。ジャクソンホール会議での発言を受けた年内米利上げ観測の高まりも、この日の重荷になっていたようです。ChatGPTの選定理由が「持続する材料」を軸にしていたのに対し、8月の市場自体はこうした短期的な地政学・為替イベントに何度も振らされる展開でした。それでもポートフォリオが大きく崩れなかった点は、選定と分散の設計が一定の緩衝材になっていた可能性があります。
この実験で見えてきたこと:1ヶ月を終えて、AIに聞きたくなったこと
8月を通して見ると、ひとつ確かに言えることがあります。
ChatGPTが選んだ3銘柄は、月初の円高ショックにも、中旬の急騰にも、その後の急落にも、そして最終日のリスクオフにも、一度もそろって崩れることがありませんでした。誰かが弱い週は誰かが支える、という構図が1ヶ月を通して機能し続けたのです。第1週はJPX、第2週はソニー、第3週は1489、第4週は再びソニーとJPXが伸びる、というように主役が入れ替わり続けました。これは、偶然と片付けるには少しできすぎているように見えます。
もちろん、8月全体で日本株市場自体が上昇していたことは無視できません。TOPIXが約4.71%上昇する中で、ポートフォリオの利益がすべてAIの予測力によるものだと言い切るのは乱暴です。それでも、投資額にTOPIX相当の上昇率を単純に当てはめた場合の利益と比べると、実際の利益は1,800円前後上振れしていました。この差のすべてを選定効果と呼ぶことはできませんが、地合いだけでは説明しきれない部分が存在したこと自体は、興味深い観察だと思います。
ただし、これはまだ1ヶ月だけの結果です。8月は結果として上昇相場でした。次に見たいのは、横ばいや下落の月にこの構成がどう振る舞うか。そこで初めて、ChatGPTの銘柄選定が本当に意味を持つのか、それとも上昇相場だからこそ機能した構図だったのかが見えてくるはずです。
参考
日経平均 大引け|反発、AI・半導体関連が買われるも上値は重い(8月28日)|Yahoo!ファイナンス
8月28日の国内株式市場概況|THE GOLD ONLINE
日経平均株価、3日ぶり反落 終値は607円安の6万3754円|日本経済新聞
米半導体3.47%安で反落発進か、夜間先物620円安|日経平均の見通し【8月31日】|世界一やさしい投資の学校
注意点
本記事は投資助言ではありません。公開情報と運用記録に基づく検証記事であり、将来の株価や利益を保証するものではありません。特定銘柄の売買をすすめる意図はありません。
本稿執筆時点で8月31日の日経平均・TOPIXの正式な月末終値は確定していません。掲載している損益は入力された最終記録値に基づくものであり、実際の売却約定結果とは異なる可能性があります。




