気づけば、カレンダーが先に進んでいる
年の初め、1月。新しい予定や目標を思い描いたはずなのに、ふとカレンダーを見ると「もう1ヶ月経ったんだね」と言ってしまう。
2月が過ぎ、気温や空気の匂いが少し変わり、3月末には「もう新年度」が迫ってくる。年度が切り替わるだけで、生活が変わる人も、気持ちだけ切り替わる人もいる。それでも“節目”は、時間を早送りするボタンのように押されていく。
4月、5月が過ぎて、6月に入るころには、いつの間にか「折り返し」に立っている。半分まで来たのではなく、半分が“終わってしまった”ような感覚。ここで一度立ち止まってもいいのに、現実はそう簡単に止まらない。
夏を越えたら、もう秋の気配
夏は長い。暑さは体力を奪い、気持ちにも影を落とす。けれど不思議なことに、「耐えている最中」は長いのに、過ぎてしまえば短い。
「やっと落ち着いた」と思った瞬間、空は高くなり、日が落ちるのが早くなり、秋が深まっていく。
そして街はハロウィンの色に染まる。終わったと思えば、今度はクリスマス。ツリーやイルミネーションは、カレンダーを一気に年末へ連れていく装置みたいだ。気づけば大晦日が近い。
こうしてまた、「そして1年が過ぎる」。
だんだん1年の感覚が短くなってきた
「年々、1年が短い」——そんなふうに感じるのは、きっとあなただけじゃない。
大人になると、同じ毎日が続きやすくなる。学校や仕事、家のこと、やるべきことに追われているうちに、季節の変化だけが目印になって、気づけば次のイベントがやってくる。
春の忙しさが落ち着いたと思ったら梅雨。梅雨が明けたら夏。
「暑い夏を耐えよう」なんて思っているうちに、やっと涼しくなったころには、もう秋の空気だ。
秋が深まれば、ハロウィンムードが広がる。
終わるとすぐに、街はクリスマスへ切り替わる。
そして、年末。
今年がどうだったかを考える前に、今年が終わっていく。
やりたいことはあるのに、時間だけが先に行く
いろんなことをやりたい。
行ってみたい場所、挑戦したいこと、身につけたいこと。
頭の中にはたくさんあるのに、毎日はあっという間で、気づけば「今年も終わるね」と言っている。
時間が足りないというより、時間が“すり抜ける”感じがする。
頑張っていないわけじゃないのに、進んでいない気がする。
ちゃんと過ごしているのに、記憶が薄い日もある。
でも、それはあなたが怠けているからでも、何かが足りないからでもない。
ただ、日々が忙しくて、同じことの繰り返しになりやすいだけ。だから、振り返ったときに「短かった」と感じやすいだけだ。
次の1年を“あっという間”で終わらせないために
時間の流れを止めることはできない。
でも、同じ1年でも「詰まっていた」と感じる1年は作れる。
大きな目標じゃなくていい。
小さな“初めて”を増やすだけで、1年は少しだけ厚くなる。
たとえば、
⚫︎月に一度だけ、行ったことのない場所に行く
⚫︎いつもと違う道を歩く
⚫︎新しい本、映画、音楽に触れる
⚫︎1日の終わりに「今日いちばん印象に残ったこと」を1行だけ残す
こういう小さな変化は、カレンダーには載らない。
でも、振り返ったときに「ちゃんと今年を生きた」という手応えになる。
そしてまた、1年が過ぎる
もう1ヶ月。もう半年。もう年末。
きっと来年も、同じ言葉を言う日が来る。
「また1年あっという間に過ぎるんだろうな」
その予感は、たぶん当たる。
だからこそ、次の1年は、ほんの少しだけでも“覚えていられる時間”を増やしたい。
短かったとしても、空っぽじゃなかったと言えるように。
そしてまた、季節が巡る。
またハロウィンが来て、またクリスマスが来て、また年末が来る。
そのときに、「今年もちゃんと過ごした」と言える自分でいられたら、それだけで十分、いい1年だったと思う。




